2010年7月31日土曜日

We AreThe World

誰もが知っている有名な曲、「We Are The world」のドキュメンタリーに「We are the world the story behind the song 」という番組がある。

見たことのある人はたくさんいるだろう。Youtubeとかでいまも見ることができる。DVDでも見ることができる。あの伝説の名曲を録音する一日を追ったドキュメンタリー番組だ。

その番組のなかでこんなシーンがある。

マイケル・ジャクソンがサビの部分を録音する場面。
彼は同じフレーズを何回も繰り返して歌い録音するのだが、マイクから自分が立つ位置を少しずつ後ろにずらしながら、マイクとの距離を変えながらレコーディングしている。前の距離で録音した声に違う距離で録音した声をかぶせる。
指示を出しているのはおそらくクィンシー・ジョーンズ。
そうすることによって、1人の声をかぶせても音に広がりがでるのだそうだ。


ここに着目したい。

音に広がりを持たせると同時にこれはきっと「ゆらぎ」の作り方だ。

小川の水にしても風が葉を揺らす音にしても「音のゆらぎ」は人の心を癒す力があるという。

距離を変えることによって空気を伝わる振動も変わり、似ているが微妙に違う同じ人の声を入れることで、ズレが生じ、微妙な音の違いが「響き」となり、それは「ゆらぎ」となったのだ。長年のレコーディング経験からくる知識と技はその方法を彼らはすでに知っていたに違いない。

そして「音がゆらいでいる」から、なお一層あの名曲は、人々の心を癒し、得たいの知れない感動を聴く人々に与え、色褪せることのない時を超えた名曲になったのではないか、と空想した。


そもそも参加した45人がそれぞれ絡んでいる段階でも予測のつかない「ゆらぎ」の集合体と化しているはずで、さらに現場のアーティストの熱気と想いが曲のエネルギーを倍増させたことはいうまでもない。

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